「ご近所SNS」で地域課題を住民と解決していく

千葉市役所 広報広聴課

2018年2月にマチマチと協定を締結した千葉市。地域の課題を住民と一緒に解決するため、地域での結びつきの醸成ときめ細かな情報発信に取り組んでいます。

今回は千葉市広報広聴課の戸澤さんにお話を伺い、千葉市が抱えていた課題に対してマチマチをどのようにご活用いだいているかご紹介頂きます。

戸澤俊介さん(千葉市市民局 市民自治推進部 広報広聴課 広報戦略班)
2020年4月より広報広聴課で広報戦略業務に携わる。現在はマチマチを始めとしたSNSや、ちばレポ(ちば市民協働レポート)の運用を担当。

住民同士が課題を解決する「ご近所SNS」

千葉市では「ちばレポ(ちば市民協働レポート)」など市民と行政が連携する取り組みを行っておられますが、それは何故ですか?

千葉市では、住民と一緒に地域の課題を解決したいと考えています。

自治体は予算や職員の人数も限られているため、市内で起きている課題を行政だけで解決するのには限界があります。そのため、「道路が傷んでいる」「公園の遊具が壊れている」といった課題をスマホアプリを通じて住民がレポートすることができる「ちばレポ(ちば市民協働レポート)」という仕組みをつくるなど、行政だけでは解決できない課題を住民の方と一緒に発見し解決できるよう取り組んでいます。

こうした取り組みには地域内の住民同士の結びつきが必要になります。しかし、千葉市内では単身の世帯が増えていることもあり、町内自治会加入率も年々低下し、地域での結びつきが希薄化している状況でした。そのため、マチマチを活用して地域内の結びつきを強化したいと考えています。

実際にマチマチを活用してみて、いかがですか?

マチマチを通して住民同士の繋がりが生まれていると感じます。例えば、マチマチの「災害情報共有コミュニティ」では、災害時「ここの避難所はこういう状況」「ここでは支援が受けられる」など住民同士でのリアルな情報交換が行われていました。また、「保育園情報共有コミュニティ」ではお母さん同士が活発に情報交換されていて、インターネットを通じたコミュニケーションが生まれています。 このように、地域や生活の課題を住民同士が解決している様を目の当たりにしたとき、「ああ、マチマチを導入してよかったな」と感じます。

どの地域、どの年代にも必要な情報が届けられる

「市民への情報発信」という視点では、どのような目的でマチマチを活用されているのですか?

もともと「きめ細やかな情報発信をどう行うか」という点が市の広報課題でした。

千葉市では広報紙などを通じて約98万人の市民全員に地域情報を発信しています。しかし、同じ千葉市といっても地域ごとに環境が違いますし、若い方と高齢の方では必要な情報も、情報の取得方法も異なります。地域や年代ごとに必要な情報をより伝わりやすい方法で提供する必要があると感じていました。

様々な層の住民に情報を届けるため、どのような工夫を行っておられるのですか?

SNSの活用を工夫してきました。市政情報や緊急情報を投稿するアカウントだけでなく、市民の方とコミュニケーションをとれる「ちば市役所ノヒト」というアカウントなどを運用し、さまざまな切り口で千葉市の情報を発信しています。

マチマチは、そこに加わった新しい情報発信の場です。 紙の広報紙だと若い人には届きにくく、SNSだと高齢の方には届きにくい。その両方の欠点を補える第三の選択肢がマチマチです。 スマホで利用できるため、20代、30代の若い世代の方々にも見てもらえているという実感があります。また、中高年層の方々にも使われる可能性を感じています。そのため、マチマチを通して情報発信することで、様々な世代の市民に情報を届けることができます。

市役所でマチマチをご担当される上での業務内容を教えてください。

担当者として定期的に行うのは、広報紙やイベント告知チラシのアップロードで、負担が少なく助かっています。また、千葉市ではホームページの新着情報をマチマチと連携していて、ニュースメールとして住民の方に届けることができています。実は、今年度からマチマチの担当となり業務の負担がどれだけあるか不安でしたが、運営も親身になってサポートしてくれたので安心でした。

ご近所さんとのコミュニケーションで街の魅力を発見

市民の方々はマチマチをどのように活用しているのでしょうか?

「見学してどうだったか?」といった保育園の情報や、「美味しいお店はどこか」「新しいお店ができた」といったお店の情報などが投稿されています。

私自身、1歳半の子どもがいて、保育園を探す際にマチマチを利用しました。他のSNSでは自分が住んでいる地域の情報を見つけられなかったのですが、マチマチでは近所に住む方からの情報を得ることができました。

また先日も近所の方がカフェの情報を投稿していたのですが、そこが個人的に気になっていた場所でした。私はもう10年以上千葉市に住んでいるのですが、 近所の方とのコミュニケーションを通じて新しい発見をできるのがマチマチのおもしろさだと思います。

戸澤さんも市民としてマチマチを活用してくださっているのですね。今後、市民の方にはどのように利用して欲しいですか?

転入してきた方にもマチマチを使ってもらいたいと思っています。

千葉市は千葉県内でも転入者が多い地域で、都心から引っ越してくる方も多くいらっしゃいます。引越しされると、自治体による取り組みや制度の違いに戸惑うことが多いと思うのですが、そういった情報をマチマチを通してきちんと届けていきたいです。

また、役所からの情報以外にも、「治安が気になる」「どんな保育園があるか知りたい」など住んでいる方でないと答えられないこと、「どこのスーパーがいい」など生活に欠かせない情報が得られるのもマチマチの魅力です。マチマチでは転入前に情報収集をされている方もいますが、そうして転入前から地域との接点を持てるのもいいですね。

なお、千葉市では協定を締結して間もないころから、各区の窓口で転入届や妊娠届を出された方にマチマチのチラシをお渡ししているほか、令和2年(2020年)に市立小中学校の全生徒向けにチラシを配布しました。

最後に、今後自治体としてどのようにマチマチを活用していきたいか教えてください。

防災情報の発信をさらに強化していきたいと考えています。

令和元年(2019年)には台風第15号、第19号、そして10月25日の豪雨と、立て続けに災害に見舞われました。建物被害や倒木等も発生し、停電が長引くなど生活や産業活動に大きな被害が生じました。

特に、台風第19号では、避難所が65か所開設され、最も多い時間帯には2,000人以上*の避難者を受入れました。場所によっては避難者が殺到する状況となりましたが、そういう時にマチマチは有効なツールになると思っています。千葉市防災ポータルサイトとの連携もスタートしていますし、今後ちばし安全・安心メールとの連携も行いたいと考えています。

千葉市からの情報発信も強化していくので、 市民のみなさんにもっと使っていただき、市民のみなさんの結びつきが強化される場になって欲しいと思っています。 現在千葉市民だけでも多い月は約2万人の方に利用いただいているのですが、生活に役立つツールなので、もっと住民の方に知ってもらえるよう取り組みを進めていきたいですね。

戸澤さん、ありがとうございました!

*令和元年災害記録誌(千葉市)より