区民が気軽に区政情報を得られ、世代を超えてつながりが生まれる場

目黒区役所 広報課/中央地区サービス事務所

2018年4月にマチマチと協定を締結した目黒区。自治体からの情報発信だけでなく、町会・自治会にもマチマチを紹介して地域コミュニティ活性化に取り組んでいます。

今回は目黒区広報課の酒井課長(当時)と中央地区サービス事務所の高雄所長にお話を伺いました。広報・地域コミュニティの双方の観点からマチマチをどのようにご活用いただいているかお話しいただきました。

酒井圭子さん(目黒区役所 企画経営部 広報課長(インタビュー当時))
区報の発行やホームページ、SNSでの情報発信などを行う。現在は総務部 総務課長を担当。
高雄幹夫さん(目黒区役所 区民生活部 中央地区サービス事務所長)
2019年4月から現職。町会・自治会や住区住民会議(小学校の通学区域を単位としたコミュニティ)の支援などを担当。

区民が気軽に区政情報を得られる場

目黒区でマチマチの活用を検討し始めたきっかけを教えて下さい。

酒井さん: 目黒区では「戦略的な情報発信のための指針」というものを策定していて、それをもとに情報発信の施策を練っています。「戦略的」というのは、各媒体の特徴を活かして情報発信を効果的にしていく、ということです。現在はSNSを積極的に活用し、行政が出した情報に対する受け手のダイレクトな反応を見ています。その中で、地域住民に情報を届けるための効果的なツールとして、マチマチの活用を開始しました。

マチマチのサービス自体は協定締結以前から知っていたんです。新聞などのメディアで取り上げられているのを目にしていて、当時マチマチのオフィスが目黒区にあったこともあり、「区内にこんな先進的な事業者がいるんだ」と興味を持っていました。

実際に検討する中でポイントになったのは、やはり「地域限定のSNS」というマチマチの独自性です。情報発信の手段は色々試すのがいいと考えています。もちろんTwitterやFacebookなどの「世界にひらかれた」ツールも行政の情報発信において重要な役割を果たしています。 しかし、基本的に行政や地域団体の発信する内容というのは、地域に住んでいる方に知って頂きたいものです。そのため、マチマチを活用した行政情報の発信は効果的だと思いました。

また、マチマチの主なユーザー層が若い世代や子育て世代であるという点も大きな決め手になりました。

若い世代、子育て世代への情報発信に課題を感じていたのですか?

酒井さん: はい。行政の情報をよく見てくださるのは基本的に区報の愛読者で、その多くが比較的高齢の方なんです。若い方は自分の必要なタイミングで必要な情報だけを検索することが多く、行政情報を普段からお届けするのは難しいと感じていました。しかし、区民の方が検索しようと思わなくても、我々としては区民に伝えたい、区民の役に立つ情報もたくさんあります。

マチマチを活用することで、若い目黒区民にプッシュ型で情報を届けられるというのは大きな魅力でした。 しかも目黒区の運用するTwitterとの自動連携で情報発信ができるので、行政の負担が少ないという点もありがたいです。若い区民の方がマチマチというプラットフォーム上で、クチコミなどの普段必要な地域情報と一緒に行政情報を見ることができる。行政情報に触れるハードルが下がったと感じます。

世代を超えて区民が交流できる場をつくりたかった

現在、目黒区民の方々はどのようにマチマチを利用しているのですか?

高雄さん: 子育て世代はもちろんですが、地域団体の方も積極的にマチマチを活用し情報発信しています。目黒区ではコミュニティ施策として「マチマチを活用した地域コミュニティ活性化」を進めていて、取り組みの一つとして町会・自治会、住区住民会議向けにマチマチの活用講座を行いました。 集まった方々は60〜70代くらいのシニア世代。講習会後すぐにマチマチを利用し始め、「情報発信の手軽さに目覚めた」と言って今も継続して活用してくださっています。

例えば、地域イベントを企画・運営するなかで急な変更や中止があったとき、これまでは町会の掲示板で紙を掲示したり、電話で連絡を行っていました。それでは区民に情報が伝わりづらかったり、連絡先を知らない人には情報伝達ができないという悩みがありました。マチマチを使えばリアルタイムで手軽にイベントの変更案内ができるため、便利なのだそうです。

目黒区で開催したマチマチ講習会

シニア層の利用も進んでいるのですね。

高雄さん: これまで地域団体では、若い方を地域コミュニティに上手く巻き込めないという悩みがありました。マチマチはそこを解決してくれるという点が良いのだと思います。

目黒区には「住区」という独自の地域区分があり、小学校区単位での地域コミュニティなんです。そのため、お子さんが未就学の方や独身層の方は地域と接点が持ちづらく、住区住民会議のメンバーは「どうしたら若い方がもっと地域に参加してくれるのか」と悩んでいました。ホームページを作るという案も出たのですが、専門スキルが必要になるためハードルが高く、結局地域コミュニティ参加案内のチラシやパンフレットを紙で配るしかありませんでした。

しかし、スマートフォンを使った情報発信であれば気軽に行うことができます。 シニア世代と言っても、今は多くの方がスマートフォンを普通に使っています。そのような方にとって、マチマチは手軽に地域の方に情報発信できる便利なサービスなのです。

もともと、目黒区で各住区に設置している「住区センター」という施設は、地域住民の世代を超えた交流を促進できるよう設計されたんです。しかし時代が変わって人々のライフスタイルは多様化し、近所に住む方同士でさえ顔を合わせて話すことが難しくなってきました。 そんな中で、マチマチ上ではシニア世代と子育て世代の方が「あの病院が良かったよ」などのやりとりを気軽に行っています。 幅広い世代にスマートフォンが浸透したことにより、以前の想定とは少し違う形ですが、目黒区で理想に掲げた住民同士の世代間交流が実現できるようになったのだと感じます。

区民と行政、区民と区民がつながる

実現したい未来に向けて着実に歩を進めているのですね。

高雄さん: 実際に、マチマチ上で情報発信している団体の方から「地域イベントへの参加者が増えた」という報告もありました。独身層や未就学児のお子さんのいる方、 つまりこれまで地域コミュニティとの接点の無かった方が、マチマチを通して地域のイベントに興味を持ち、参加し、ボランティアまでしてくださったそうです。 こういった区民同士のやりとりがリアルタイムで発生するのはSNSならではだと思います。区民同士で気軽にコミュニケーションできる場があるのはありがたいですね。

今後、マチマチをどのように活用していきたいか教えて下さい。

酒井さん: 目黒区では、「つたわる、つながる」ということを情報発信の大きなテーマに置いています。行政が区の情報を区民にわかりやすく伝えることで、区民と行政のつながりができる。それによって、区民の皆さんの生活や意思決定の役に立てればと思っています。その実現に向けて今後もマチマチを活用して情報発信していきたいです。

高雄さん: 今は共働きの世帯も増えて、「ゴミ出しのついでに隣近所で挨拶や世間話をする」という日常の場面も少なくなってきました。一方、若い方々はインターネットでの交流に慣れていますし、マチマチ上でも子育て世代の交流は活発に行われています。

いま目黒区ではシニア世代もマチマチを使い始め、世代間交流も始まりつつあります。今後さらにこうした交流が広がって、そこからリアルな人と人とのつながりができていくといいなと思います。

酒井さん、高雄さん、ありがとうございました!

取材日:2020/02/18