ご近所SNSマチマチ

マチマチを活用した、市民協働での情報発信

水戸市役所 みとの魅力発信課

茨城県の県庁所在地として、周辺地域を牽引して先進的な取り組みを行う水戸市。
地域コミュニティ活性化に向けて、2017年11月、県内で初めてマチマチとの協定を締結しました。

情報発信のあるべき姿とはどんなものなのか、水戸市でマチマチがどんな役割を果たしているのか。協定締結時よりマチマチをご担当頂いている、水戸市職員の宮崎さんにお話を伺いました。

宮崎良太さん(水戸市役所 みとの魅力発信課 イメージアップ係)
2014年よりみとの魅力発信課で市に関する情報発信やイメージアップ業務に携わる。現在はマチマチを始めSNSの運用やホームページの管理、動画コンテンツの作成を担当。

情報発信の主体は自治体だけじゃない

宮崎さんの在籍されている「みとの魅力発信課」は情報発信を担当される部署ですが、一般的な「広報」と比べて特徴的な取り組みなどはありますか?

近年、スマートフォンやSNSが普及する中で、より多くの媒体を使ってたくさんの方に情報を届ける必要が出てきました。そこで、従来の広報広聴課の役割を強化し、みとの魅力発信課が発足しました。みとの魅力発信課では、多様な情報伝達手段を取り入れ運用しています。現在は、マチマチをはじめFacebookやTwitter、LINE、ブログ、動画チャンネルなどのソーシャルメディアを活用しています。

私自身も、担当業務としてホームページやSNSの管理・運用を行なっています。また、動画の撮影や編集なども行なっていて、地域の魅力をより多くの方に伝えられるよう工夫しています。

情報伝達の方法を見直す必要を感じられたとのことですが、何かきっかけとなるような出来事があったのですか?

きっかけになったのは、2011年の東日本大震災ですね。当時は今ほどSNSも普及していなかったので、行政からの情報発信媒体は限られていました。一方、大震災の中でもTwitterなどのSNSはサービスが止まることもなく、非常時でリアルタイム性が求められるなか市民発信でたくさんの情報がやり取りされ、有効的に機能しました。

大震災がきっかけの一つになり、水戸市では情報発信にSNSを積極的に取り入れるようになりました。現在は一歩進んで、「必要な人に必要な情報が届く」「ただ一方的に伝えて終 わりではなく、その人の行動に影響を与える」ことを意識して、日々情報発信を行っていま す。 しかし、TwitterなどのSNSを使っても、どうしても「自治体が不特定多数のユーザーに対して一方的に情報を流す」という構図ができあがってしまって、本当に必要な人に情報が届いているのか、伝わっているのかどうかが見えづらくなっていました。

情報発信の主体が必ずしも行政だけである必要はなく、市民同士、SNSユーザー同士のやりとりで有益な情報を得られることも多々あります。そのため地域内あるいはSNS上で水戸に関する正確な情報を発信してくれる人を増やすことも重要だと思います。

情報の受け手である市民の視点が取り入れられたんですね。

転入者を支えるオンラインコミュニティ

そんな中で、なぜマチマチを活用することになったのですか?

マチマチを最初に知ったのは、Code for Ibarakiという団体からの紹介でした。それまでは「ご近所SNS」というものがあることも知らなかったのですが、「地域にフォーカスしたクローズドな環境のSNS」という独自性に惹かれ、深く共感しました。さらに、実際に中を覗いてみて、ユーザー同士でやり取りされている情報の質が他のプラットフォームと大きく違うことに驚きました。生活に密着した情報を詳しい人に直接聞ける環境というのは、インターネット上にはあまりないと思います。この独自性が、マチマチ活用のいちばんの決め手でした。

また、マチマチの技術力の高さやセキュリティ面で信頼できる点も、行政での活用まで話を進める上での大きな要因でしたね。

実際に水戸市のマチマチではどんな投稿があるのですか?

水戸市は転勤などで引っ越してくる方が多い地域なので、やはり転入者の方からの質問、特に保育園や小児科などの話題が圧倒的に多いですね。地域のイベントについての投稿も多く、しかも「子どもを連れて行けるイベント」のような、実際に住んでいる人でないとわからない濃い話がやり取りされています。

基本的に行政からは不特定多数の方に客観的な事実を伝えることが多く、個々人に対するきめ細やかな情報や、「生の声」を届けるのはなかなか難しいのです。そこを一般のユーザーが補完してくれているのは、とてもありがたいですね。

転入者の方々は、周囲に頼れる人がいない環境のなかでマチマチのことを知り、生活に必要な情報を求めて登録してくることが多いようです。そしてマチマチ上で質問や相談を投げかけるのですが、転入者からの質問に対して水戸に長く住んでいる方から丁寧な回答が寄せられているのは、とても嬉しく思います。そしてそれに質問者から「ありがとうございます、助かりました!」と感謝が返ってきていて、市民の満足度も高いことがわかります。市民の中で、質問、回答、感謝という理想的なコミュニケーションが発生しているのは、やはり見ていて気持ちがいいですね。水戸市としてマチマチを紹介して良かったなと思えます。

水戸市の広報紙「広報みと」でのマチマチの紹介

波及、拡大する水戸市の取り組み

水戸市とマチマチは2017年11月に協定締結し、当時メディアでも大きく取り上げられましたが、その後も反響はありますか?

当時は東京23区以外の自治体で初のマチマチ活用ということで、多くのメディアに注目されたのですが、その影響か今でもたくさんの自治体からマチマチとの取り組みについて質問を頂きます。政令指定都市の職員の方から問い合わせが来たこともあって、その時は驚きましたね。スピード感を持って協定締結まで進められたこともあり、水戸市の取り組みが先進事例として全国に伝わっているのかなと思いました。

特によく聞かれるのは「実際マチマチを使ってどんなことをやっているのか」ということですね。マチマチ上での水戸市からの情報発信は基本的に水戸市公式Twitterアカウントとの自動連携で行なっているので、担当者としてやっている作業は、月2回の広報紙のアップロードやイベントチラシのアップロードです。作業自体はだいたい5分以内で終わるので、全く負担ではないですね。

では、今後マチマチとの取り組みに期待することを教えてください。

まずはもっと多くの水戸市民の方にマチマチを広めて、使って頂きたいですね。今もTwitterやチラシ配布などで周知に取り組んでいますが、今後も色々な施策を行いたいと考えています。それによって行政から発信する情報もより多くの方に届くので、一石二鳥ですね。

さらに今後の展望として、例えばユーザー会の開催などができると面白いなと思っています。マチマチをきっかけに水戸市民の現実のコミュニケーションが活性化できると嬉しいですし、そこからまた水戸市のマチマチも盛り上がっていくのではと考えると、とても楽しみです。

宮崎さん、ありがとうございました!