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区民に情報を「届ける」、そのための「マチマチ」活用

渋谷区役所 地域振興課

「ひらかれた、つながりのある地域社会をつくる」というミッションをかかげ、地域の課題を解決するための社会インフラをつくるマチマチ。2019年8月時点で20以上の自治体と提携を発表しており、日本の7割以上の市区町村でマチマチが利用されています。

今回は、マチマチとの提携を一番最初に発表した渋谷区の職員、山口さんにお話しを伺いました。実際にマチマチをどのように活用しているのか。自治体と住民の関係の変化を紐解きながら紹介していただきます。

山口啓明さん(渋谷区役所 区民部地域振興課 協働推進主査)
平成5年に渋谷区役所に入職。以来30年近くにわたり渋谷区の職員として施策の実行や情報発信を担当。2019年より現職にて、マチマチやSNSを活用した情報発信を担当。

ネット社会の発展と住民─自治体の関係

山口さんは、30年近くにわたり渋谷区の職員として自治体運営に携わられていますよね。30年前と今とで、地域の姿に変化を感じることはありますか?

私は、平成5年から今まで30年近く区役所で働いていますが、この30年での一番大きな変化は、やはりインターネットの普及だと思います。

一昔前は区の職員も区民も、分からない事があれば電話で各所に確認をとっていたんですよ。それが今ではインターネットを使って簡単に情報収集できるようになって、とても便利になりました。特に保育料や特別養護老人ホームのことについては、区民の方がインターネットで詳しく調べられているようで、問い合わせが昔より減ったように感じます。ネット社会のありがたさですね。

インターネットが普及する中で、市民への情報発信はどう変わりましたか?

実は今でも、自治体からの情報発信のメインは広報誌だと感じています。我々からの情報を見ているよと言ってくださる方の多くは地域に関心のある方、特に年配の方で、見ている媒体は広報誌だと聞きます。
一方で若い方、特に単身世帯には情報が届いているかどうか全く分からないですね。今は広報誌を全戸配布にしていますが、読んでくれる保証は全くないですから。

若い方の地域参加が課題ということですね。

そうですね。私の部署に関係したことで言えば、町会の構成員、特に実動員が減少しているというのは大きな課題で、職員から色々と施策を募集したりしています。どこの自治体も同様の課題を抱えられていると思いますが、なかなか効果を出すのが難しいですね。

課題解決に向けて、イベント開催に補助金を出したり、町会のホームページ作成にも取り組みました。しかし特にホームページについては、蓋を開けてみると準備段階で終わったり更新が続かなかった町会がほとんどです。先日調べてみたところ、全105町会のうち82団体が、現在もホームページやSNSを活用できていませんでした。8割がインターネットを使えていないんです。なので若い担い手も入ってきません。ホームページやSNSアカウントを作ったとしても、ネタがなかったり更新が大変という理由で辞めてしまう方も多いんだと思います。

「区民に届く」情報発信の大切さ

区役所でマチマチをご担当される上での、具体的な作業内容を教えて下さい。

渋谷区の公式Twitterとマチマチを連動させています。Twitterの投稿内容が、自動的にマチマチに反映される仕組みですね。マチマチユーザーの渋谷区民の方々にもタイムリーに情報が届けられています。

加えて、月2回の広報誌発行に合わせてPDFデータをマチマチにアップロードしています。区からのお知らせのチラシと合わせると、月に20回あげるときもあります。

広報誌もチラシも、管理画面からのアップロードは本当に分かりやすくていいと思います。割とボリュームのある広報誌もサクッとあげられますし、とても操作しやすいです。

区の各所から出ているお知らせのチラシは、何でもマチマチにあげるようにしています。定期健康診断や防災フェスのお知らせ、クーポンなどなど。実は私も今まで知らなかったような区の情報があって、面白いですよ。

様々な種類の情報を載せて下さっているんですね。

マチマチにチラシを載せると、区民の目に止まりやすくなるので、こちらが見て欲しい情報を届ける事ができるというメリットがあります。Twitterでの情報発信は、住んではいないけど渋谷区に関心のある人に届けるにはいいのですが、いくらフォロワーがいてもそれが区民かどうかは分かりません。

また、保育関連や介護関連のことなど、区民からの関心が高い情報については、自治体が情報発信を工夫しなくても届けられるんです。各区民にとっての一大事ですから、積極的に検索して見つけてもらえます。一方で、重要度は高いが区民からの関心が低い情報は、ホームページや広報誌に載せてもなかなか気づいてもらえないんです。例えば税金なんかは、払いたくないから制度について調べない人も多いかもしれないですね。

逆に、マチマチに足りない機能や要望はありますか?

今後さらにユーザーが増えてくることを想定すると、アンケート機能ができると良いなと思っています。イベントの認知度や満足度も見えるようになると、住民の反応を見て次回からの情報発信に活かすことができて嬉しいですね。紙の質問票を区民に郵送で送っても、回答率なんて2割程度ですから。

リアルな区民の声が見えてくる面白さ

区がマチマチを使っていて良かったなと思うことはありますか?

区民がネット上でいつでもどこでも区政情報を見られるような環境があるのはとてもありがたいです。移動中や隙間時間にも見られるし、過去分の広報誌も見返すことができる。広報誌などを発行する側にとっても嬉しいですよね。もっとユーザーを増やして多くの区民に届けられるといいなと思います。

また、ホームページや広報誌だと自治体から一方的に情報を流すだけですが、マチマチでは区民の声が見えるのが面白いですね。ネット上で、区民同士で会話が成立しているんです。「困った人がいたら助ける」という空気ができているようで、私もそれを見るのが楽しみになっています。やっぱり住民の方も地域の中で繋がれる場を求めているんだと思います。

さらに、何気ない投稿の中から、普段聞こえてこないような区民のリアルな困りごとが見えるんです。「保育園のホームページを見ても見学の申し込み方がわからないんです」とか、区の情報発信のどこが不足しているのかも分かります。

渋谷区ではオンラインの地域コミュニティができつつあるんですね。

通勤通学がてらにスマホで投稿できる気軽さが良いんだと思います。住民ならではの何気ない投稿が、マチマチでのコミュニケーションのきっかけになっていますね。自治体では「あの店が美味しい」とか「あそこの歯医者の先生は愛想が良い」とか、そういう類の情報は出せないですから。今ネットを使われていない町会の方々も、マチマチのような場での気軽な情報発信なら続けられるのではないでしょうか。

今後マチマチに期待することを教えて下さい。

せっかく良いツールなので、マチマチの存在がもっと世の中に浸透して、自然とみんなが登録したくなるような流れができれば良いなと思います。利用料も無料ですし、マチマチさんはどうやって会社を経営しているんだろうと思うくらい*、利用者に優しいサービスだと思います。

例えば町会でマチマチを使うとなるとそのメンバーが登録するだろうし、今後提携自治体が増えればその地域のユーザーも増える。自治体同士ってよく情報交換をするんですが、渋谷区にも、訪問や電話でマチマチの機能や効果などに関する問い合わせが来ます。実はその度に「いいですよ」とおすすめしています。そうやってマチマチが色々な地域のプラットフォームになり、どんどん利用者が増えていくといいなと思います。

ありがとうございました!

*マチマチは広告やコンサルティングによってビジネスを行なっております。また、地方銀行やベンチャーキャピタルなどの機関投資家、上場企業のオーナーや取締役などの個人投資家からご投資を頂き、2019年8月現在4億円以上の資金調達を行なっています。